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3月31日

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増税しないで済むなら、しないほうがいいに決まっている。

しかし、東日本大震災の前から、すでに日本の借金は600〜800兆円を超え、IMFからも財政の健全化が急務と言われていた。

ギリシャで起こっていることは対岸の火事ではない。そこに未曾有の震災と原発事故が起こり、街の復旧や放射線対策に予定外の金が飛んでいる訳で

すでに借財は1000兆を超えてしまったらしい。いくら日本の国債の多くは日本国民が買っているとはいえ、これ以上の借財体質が続けば、

国債の信用はさらに落ちて、国は借金が出来なくなり、本当に必要な政策に支障をきたしかねない段階にある。

 

増税を行えば、政治家たちは次の選挙では不利になることは間違いない。しかし、国民に不評だからといって問題を先延ばしにしてきたツケが

今の事態を招いていることについて、小沢氏をはじめ、自分の次の選挙のことしか頭にない政治家たちはどのように考えているのか。

日本に今の世界市場で新興国以上に経済活動を優位に進められる体力はほとんど育っていないと思う。

経済が上向いてから、などと言っているうちに、いよいよ首が回らなくなったら、先行投資の余裕もなくなってジリ貧に追い込まれよう。

遠からず借金体質の転換を行う必要があり、それをしないなら借金すべてを次の世代に全て背負わて構わないというのだろうか。

金は俺がよろしく使った。あとは俺が死んだあとに返済お願いね。などと子や孫の世代に言うのはいかがなものか。

 

戦後、長年経済対策と謳いつつ、土建屋と癒着した当時の政治家達が不必要な箱ものやダム・空港などの公共事業を乱発し、

あるいは箱ものにしか使えない交付金をばらまき、借金の山を築き上げた。

私の学生時代はバブル期真っ只中だったが、湯水のように税金を使っていた政治家や官僚達のニュースが頭にこびりついている。

毎日のように料亭で「先生」とおだてられながら、土建屋から接待を受ける政治家や官僚たち。

竹下内閣では各自治体に1億円ずつ配って、金の湯船とかくだらない施設を山のようにこしらえた。今では考えられない馬鹿な政策。

外務省職員がノーパンしゃぶしゃぶで接待とか、厚生労働省が素人考えで年金資金を投資に投げ込んで莫大な損失を生んだこととか、

あの無駄使いをしたい放題していた連中は何の反省をすることもなく、多くは高額の退職金を手にして幸せに引退して余生をおくっていたり、

すでに他界していたりすることが、(増税の必要を納得しようとする)心のどこかにわだかまりのように残っている。

 

今度の増税は、やむなく必要なことだと思うが、税収が増えたからといって、官僚たちが好き勝手なことをこれまで通り続けるのではやりきれない。

今年度の予算を使い切らないと来年の予算が減るから、無駄なものだろうがなんだろうが年度末には“とにかく予算を使い切れ”、という

公務員に浸透している在り方もどうにかならないのか。 使い道を透明化して精査・検証できる仕組みを作れないものだろうか。

また、一見弱い者の味方のふりをして「増税反対」を叫び、目先の地位確保に走る政治家たちの、

問題を先延ばしにしてこの国の行方を危うくする安っぽさを、少しでも多くの国民が見抜いてほしいと願っている。